等価置換

「彼は私のことなんかどうでもいいの」
うーん、と矢沢が低く唸る。
「今の言葉はショックだな」
「なぜ」
「その彼のことが好きで堪らない、と言っているように聞こえた」

ソナタの夜
ミステリィだと思って借りたらなんと恋愛小説、不倫の男女7篇。
ただし僕には残酷なミステリィの様でもあった。
恋愛において等分も同着も成立しない。
どれもゼロなら可能だが感情がある以上は不可能だ。
よって
愛しているから、私が嘘をついた。という帯になるのだろう。