白もクロなら赤もクロだった

実家が和菓子屋だった僕からすれば
赤福の冷凍化は一応理解は出来る。
(しかし売れ残りを冷凍にしたり製造日を偽るのはアウトだろ)
作りたてのものを冷凍にするのであれば
多かれ少なかれ何処でもきっとやっていることだし
そうでもしなければ今の時代の経営は、たぶん成り立たない。
釣った魚をその場で冷凍にして出荷するのと
たいして変わらん気がするけれど。
ストック可能な物や返品が出来る物と違って
特に小売りの生ものは製造個数が死活問題になる。
大手でなければそれは
薄利多売でなく薄利小売なのだから尚更だ。
少なく造ってお客さんが買いに来て無かったら
商売にならない。
多く造って残っても儲けにならない。
だから残りそうになると捨てるくらいならと
来たお客さんにおまけして余分に包んだりしちゃうのが
昔の商店街のいいところであった。
だからうちは貧乏だったに違いない。
材料仕入れと製造は毎日が博打みたいなもので
そこには、天気やイベントや前日の売れ行きや経験から出る
公式のない計算が必要だったのだろう。
しかも質のいい材料を仕入れて安く売るなんて神業だ。
高い小豆を使って餡を練って安く売るなんて神業だ。
商売人の魂に職人魂までプラスされたら大変だ。
だから・だからうちは貧乏だったに違いない。
煽りを食らって僕も博打で勝てるDNAを持っていないので
毎週馬券が空を斬る。
部活が忙しくなるくらいの歳まで、よく店の手伝いをさせられたが
妹はまったくやらなかった。と、急に思い出したら腹が立ってしょうがない。
製造年月日を偽ったり、売れ残りをリサイクルしたり
名前に胡座をかいて販売するのは
心意気や気概を持った商売人とはいえない。
それでは名前だけで商売をしている
大相撲やボクシングや政治家やハイエナ官僚と
何も変わらないではないか。