hook #320

そもそも本であれ、音楽であれ、映画であれ
メディアというものは本当にこちらが必要な時は
勝手に輝いて
読んでくれ、聞いてくれ、観てくれと
いつの間にか手に取るようになっているというのが持論であるが
かといって何十年も揺るがない
好きな作家もミュージシャンも映画も数えるほどしかないということは
それだけ巡り会う可能性が低いともいえるし
こちらが一方的に閉ざしているともいえる。
ねじの回転―FEBRUARY MOMENT
何か面白い本がないか某氏に聞いた何冊かのうち
恩田陸のQ&Aでも借りようかと思ったが
今や我が最前線基地と化す図書館には当然のごとく全てないので
何か読んでくれと訴えかけているようなこの本を代わりに借りた。
たまたま
サウンド・オブ・サンダーとタイムラインの
タイムワープものの映画を続けて見た後でもあり、
割とヘヴィーな歴史にワープするこの一冊との出会いの流れも
リンクしているが如きに読んだのですが。
固いSFものにしては文体が優しいのは
クレイジーヘブンを読んだ後だからかもしれないし
女性作家だからかもしれないが
ありがちな過去に戻る話でなく、過去に戻って
もう一度その人物に歴史を再履行させるという真新しさが
とても新鮮で面白かった。
で、古本屋で数冊購入するという乱読悪循環になるのですが。