蔦屋重三郎のパンク魂

写楽の謎とは何か
写楽とはいったい誰なのか
というのが勿論この本の肝であり
突然現れた無名の新人「写楽」をなんで蔦屋重三郎が超VIP待遇で
短期間でもの凄い量を刊行したのかが大きな謎の一つだが
ド肝抜くような答えが用意されていた。


今の時代と何も変わっちゃいない
経済破綻寸前の幕府
改革という名の倹約令による閉塞感など
写楽の浮世絵が登場した頃の江戸時代の時代背景や庶民の雰囲気が面白い。
歴史とは点ではなく線であることを改めて思い知らされる。
お上が約束ごとにもたれかかって何も考えない社会の仕組みや
様式美だの何だのと都合のいいごたく並べて型に寄りかかってる絵師たちに
蔦重はクソ面白くねぇ世の中と本当にイライラ思っていたんじゃないかと思わせる。
そんな江戸編?は絶品。
写楽 閉じた国の幻

「打ち壊さなきゃあな春朗、腐っちまうのよ、屋台骨が、虫食って。それが古い家。
だからな、一度は打ち壊さなきゃなんねぇんだ、自分でよ。−
−そうやってな春朗、そうやって新しいものは生まれるのよ」
そしてひと息つき、
「そうじゃなきゃ、続かねぇ」