ブチ切れて別の回路がつながるB接点

現場の元請けの所長が
作業着の胸ポケットに付けてる
ターゲットマークの缶バッチを見て
エルバジェさん、それ何だ?」
「はぁ、ネットで検索すればわかりますけど」
「宗教か何かのバッチ?」宗教・・
「お布施を中間搾取して御利益ゼロの会社こそが新興宗教なんじゃ
ないんっすか」
エルバジェさんて皮肉屋だね」
「皮肉に聞こえたならボクはかろうじて救われます」
皮肉と嫌味の違いは何なんだろうか。


ピラミッドの頂点はきっと眺めがいいだろう
ただ、組織も社会も
底辺の人間が重さに耐えて、
苦しみの中で支えているからこそ成り立つ。
ここの職場は、その底辺ですら
人を重力軽減の部屋に見立て、面倒な事は全て押しつけて逃げまくる
冷えた野郎ばかり。
この状態を、負け犬、遠吠え状態と思っていたが
散歩を初めてから、そんな言葉は犬に失礼だと思うようになった。

路上はリードを短く持って
折り合いに専念していても、
一歩公園に入ったら
好きなように彼任せになる。
良いことなのか悪いことなのか知らないが
ボクはひたすら葉っぱに向かってフンフンフンと鼻を鳴らして
スキャンしているのを見ているのが大好きなのだ。
どんな情報収集解析をしているのか全くわからない。
何度も同じところを繰り返し走査しているのを見ると
ちゃんと処理出来ているのかも大いに疑問だ。
ただ、こいつらの鼻に人間が勝てるのか。
毎日毎日同じ地面を這いつくばっても、
その軽快さには、尊敬しか出てこない。