綺麗な薔薇には身を守る為に棘がある

尊敬おく能わざる江藤先生は言っていた。
正体がつかめないものこそが、もっとも恐ろしい。
君たちの人生はしばしば、得体の知れない危機が横たわる。
警戒せよ。積むのは難く、崩すは易い。
もっとも、尾藤先生はこう言っていた。
何がなんだかわからないものは、何がなんなのかわかるまで
放っておいても、どうってこたあない。
説明書の付いてないものにいちいちかかずらわるほど、
お前らの人生は長くない。
加藤先生は言っていた。給食は残さず食べなさい。
多くの教えを受けて大学生となった結城はこの夜、尾藤先生の教えに従った。