勇気と想像力とちょぴりのお金

確かにゴールデンスランバーは仕上がりが良かったとは思うが
カーブカーブでカウント取ってフォークで仕留めるような
集大成的な技巧に撤した感じで、本屋大賞も何か違う気がした。
何をどう売りたいと思ってもそれは売り手の勝手だけれど。
新作は、理屈っぽい部分も多いが
小便カーブに高速スライダーに、仰け反らせる内角ストレートと
前作とは比較にならないくらい好きだ。なにより佳代子さんが素敵なのだ。
前作ほど評判が上がっていないのが、さらに良い。
魔王の兄弟版とか、スランバーの義兄弟版だとか
そんなの関係なしに、これを真っ先にお薦め。
モダンタイムス (Morning NOVELS)

「まただ」私は嫌な気分になる。
「『そういうことになっている』という話ばっかりだ。やめてほしい」
誰も彼もが物事をそう説明してくる。
これはそういうシステムになっているのだ、
そういうことなのだ、と言う。
説明のようでいて、それは説明ではない。