パ・マル【悪くない】

玉子かけご飯でも、お茶漬けでも、夕飯にトーストでも
食に欲が薄いせいか、全然悪くないが
登場する料理がほとんどイメージできなくても
フランス料理が食べたくなる。今すぐにでも。
むしろサクリファイスは鬼っ子であって
何だかわからんが
読んだ後にちょっとだけ優しい気持ちになって、
ちょっとだけ元気がでるようなこういう作品こそ真骨頂。
タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)

「そのチーズ、どうしてオッソ・イラティと言うのかご存じですか?」
「いや・・・知らないが」
「オッソという土地の羊の乳と、イラティという土地の羊の乳を
混ぜ合わせてチーズを作るんです。
それではじめて、この味になるというわけです」
「ふたつ合わせないと出ない味というわけだね」
志村さんは頷いた。そして言う。
「きっと大丈夫ですよ」