女性は怖い

物質が不安定な状態の時は
安定を求めて何でもいいから結合しようとする。だったかな。
付け入る隙があるとすれば、その辺りの世代しかないかと思うが
水兵リーベも最後まで正確に書けぬほど、
はるか昔に化学科を卒業した男の記憶は曖昧でいい加減だ。
スパイラル・エイジ

「女性の体の変化を三つのステージに分け、そこの境に
変化が顕著になる曲がり角をスパイラルポイントと呼ぶことにしました。
まず最初に、16歳から18歳。・・・次は24歳から26歳。・・・」
暁子の目は、春菜が書き込む数字と「スパイラルポイント」というカタカナの
文字に吸い寄せられた。
「問題は、女性ホルモンが減少する37歳から39歳です。
それまでらせん状にゆるやかに起きていた体型の変化が、この時期、
著しくなり、急激に体重が変化します。肌も弾力を失い、みずみずしさの
個人差が広がり始めます。卵巣から血液中に送り出される女性ホルモンの
量は減少し・・・」
「あらあら、恐ろしいわねえ」  


人を殺してきたという同級生を部屋に一晩泊めるというところから
始まるこのミステリィ
主人公が入れ替わっていく?ストーリーはともかく、
女性同士の会話や、文章のひとつひとつが何故だか異様に恐ろしく、緊張する。
そして開き直った腹の括り方に絶句する。
40歳ぐらいの年齢は、見え始めた自分の将来の不安や
そろそろ親が調子が悪くなり、自分以外の負荷が大きくなる時期でもあり
体の変化と併せて
なにかと曲がり角のスパイラルポイントかと。