無気力そうな大あくびカーミング・シグナル

こんな話も書けるのかと見直すくらい
今までの作品のなかでは
楽しめるという意味では一番面白いと思う。
片眼の“猿”よりは“犬”の方が圧倒的に好きだ。
ソロモンの犬

「男性は高い声の発生源に対して本能的に保護欲を抱く。赤ちゃんとかね。
女性はそのことを先天的に知っているから、好きな相手に話しかけるときは
体内で女性ホルモンが盛んに分泌されて、自然と声が高くなる。
そして、彼女はきみと話すときに声が高くなるね。
ね。ほら。つまり彼女はきみが好きということだ。
簡単な理屈だろ?よかったよかった」

「ひとつアドバイスさせてもらうと、もし想いを伝えるときは、
なるべく低い声を出したほうがいい。
男性ホルモンの分泌具合をアピールできるから、
成功率が上がるよ」

男が男にカーミング・シグナルを送ると非戦闘サインどころか
バカにしてんのかとムッとされるし
低音ボイスであいさつすると、元気がない何かあったのかと
言われる。気をつけよう。