レトリーバー＝取り返す者

僕は伊坂幸太郎ファンであっても
全部の作品が好きなわけでなく
好きな本、嫌いな本がはっきりしている。
そういう作家は珍しいかも。
嫌いな本から読んでいたら2冊目以降はなかったかもしれない
出会いのタイミングって大切だ。
幾つも鍵が掛かっていて
ドアが最後まで開かないような複雑な仕掛けも嫌いではないが、
どうぞ入ってみて下さい。と最初からドアが開いている様な作品の方が
読みやすくて、心にすーっと入ってくる。
単に、短編的なものをまとめて、ひとつの長編形とするような書き方が
区切りよく読みやすいだけなのかもしれないけど

文庫化されたので
伊坂幸太郎をこれからという方には、チルドレンから読むのは
悪くない気がする。
人は殺されないし、クセが少ないし、でもちゃんと仕掛けてあるし
珍しく熱めのキャラを書いてるし
死神の精度と並ぶくらい好きな作品。